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【読書レビュー】むかし僕が死んだ家(東野 圭吾)


■あらすじ

「あたしには幼い頃の思い出が全然ないの」。
7年前に別れた恋人・沙也加の記憶を取り戻すため、私は彼女と「幻の家」を訪れた。
それは、めったに人が来ることのない山の中にひっそりと立つ異国調の白い小さな家だった。
そこで二人を待ちうける恐るべき真実とは……。
超絶人気作家が放つ最新文庫長編ミステリ。

■感想

東野 圭吾さんの作品というだけ安心して読める信頼感。笑
加賀恭一郎シリーズは読破して、あと他にもいくつか読んだっけなあ?

本作、登場人物は『私』と『沙也加』の2人のみとなります。
あとは過去の回想で2家族の話が出てくるくらい。

ストーリーは暗いく重々しい雰囲気が最後まで続きますが、至る所に伏線が散りばめられていて、結末に向けての回収が気持ちいいです。
本当に文字通り、伏線が『散りばめられている』ので、読みながらちょっと気になった言葉以外にも、「あれはそういう意味だったか!」と思わされる箇所がいくつかありました。

そして他の読者の方のレビューで知ったのですが、本作に出てくる『私』は、東野さんのガリレオシリーズの主人公である『湯川 学』なんだそう。
わたしはまだガリレオシリーズは未読なので、本作で俄然ガリレオシリーズに興味が湧きました。

さらに、黒川 博行さんが書かれたあとがきを読んで知ったのですが、東野さんは作家デビューしてから12年の間に37本もの作品を書かれているのだとか。
本作が発行されたのが1997年なので、それから現在に至るまでの約26年間。
同じペースで書き続けていらっしゃるのであれば、作品数は100本を超える勢いなわけですが、実際はどのくらいなんでしょうかね?

何にせよ、東野 圭吾さんが作家として驚異的だということを改めて知りました。
話が逸れてしまいましたが、『むかし僕が死んだ家』は推理小説として手堅い作品でおもしろかったです。