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【読書レビュー】梟の一族(福田 和代)


■あらすじ

眠らないことに加え、常人離れした身体能力を持つ梟の一族。
彼らは歴史の陰で大きな役割を果たしてきた事実を秘密にして、身を隠すように生活していた。
集落が何者かに襲撃され、全員が消えてしまうまでは。
ひとり残されてしまった史奈は、一族の生存を信じて、また、今まで明かされなかった己のルーツに関する真実を知るために、襲撃者と戦い続ける。
忍者 × サイエンスエンターテインメント!!


■感想

福田 和代さんの作品は3冊目になります(たぶん)。

不眠の強靭な身体能力を持つ梟の一族。
うーん、わたしの厨二病心をくすぐってくる設定です。笑

古くからの教えを守って、限界集落の唯一の子どもとして祖母と生活をしていた史奈。
ある夜、何者かの襲撃を受けて、犠牲となった1人の住民以外は全員消え去ってしまいます。
そうして唯一逃げのびた史奈は跡形もなく燃やし尽くされた集落を見て、仲間を救うために旅立ちます。

そうして突き止めた仲間の居場所は、とある感染症研究所。
かつて両親と一緒に集落を出て行った同年代の仲間とともに研究所に乗り込んだ史奈は、そこで集落の仲間たちと再会しますが、彼らは自らの意思で研究所から出ないと言い張るのでした。

梟の一族とは何なのか。
なぜ『研究所』で囲われているのか。
なぜ、他の梟の一族たちは研究所から逃げ出さないのか。

梟の一族の謎が『科学』へと結びつき、物語の終盤に向けて事件の全貌が明らかになるのですが、物語の展開にわくわくが止まりません。

物語の中で梟の一族が次世代へと繋がるシーンが描かれていますが、それに相応しく、物語で活躍する史奈率いる若者たちの姿がずっと見ていられます。

ちなみにこの梟の一族は、2作目、3作目と続編が出ているようなので、機会があればぜひ読んでみたいです。

派手なアクションシーンはないけれど、ヒーローが暗躍するような物語がお好きな方にお勧めできる作品でした。