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【読書レビュー】万次郎茶屋(中島 たい子)


■あらすじ

動物園の片隅で、ひっそり地味に生きる老いたイノシシ・万次郎の密かな夢は、いつかカフェを開くことだった。
幼いころから万次郎の絵を描き続ける画家志望、しかし才能はないエリは、万次郎を主人公にした絵本を描くことを追い付くが……。
笑って泣けて、また笑える表題作「万次郎茶屋」を始め、ちょっと不思議で、じんわりしみる全6編を収めた珠玉の短編集。


■感想

中島 たい子さんの作品は初めて読みます。
表紙の万次郎(イノシシ)とあらすじの内容が好みだったので購入。

本作、あらすじの通り「笑って泣けて、また笑える、ちょっと不思議で、じんわりしみる」物語が好きな方にはぴったりな作品です。
おもしろく、テンポよく、すらすら読み終えてしまいました。

地球の破滅を防ぐために暗躍する地球外生命体に、幼心に夢を失くして『愛』を知らずに育った男。
ヒーローとして暗躍するもいつも今一歩足りない80%の成果しか出せない男に、地球外生命体との出会いが変化のきっかけとなった女。

一見するとそれぞれが独立した物語のようで、実は同じ世界で繋がっている。
わたしはこういう設定の短編集は好きなタイプなので、物語の世界に浸って読むことができました。

普段あまり本を読む機会が少ない方でも、読みやすい本だと思います。

反対に、現代ファンタジーのような話がお好きでない方には、あんまりかもしれません。