【ネタバレプレイ】FF16 #74 炎の民の戦い
メインストーリーに戻ります。
救援要請を受けてマーサのもとを訪れたクライヴ。
ひとまずマーサたちは無事だったようです。
この不気味な空になってから急にアカシアが現れ、人を襲い始めたと話すマーサ。
少し前にはここにも大群が押し寄せて、怪我人が出てしまったそうです。
雇っている傭兵団や助っ人たちの頑張りはひとまずは切り抜けたものの、今も戦いは続いており。
クライヴとジルはそこに加勢することにしました。
■炎の民の戦い
ということで必須クエストの開始です。
前線に出て、迫りくるアカシアの大群との連戦に入ります。
大群を退治したあと、クライヴは共に戦った助っ人の1人に話しかけました。
その助っ人とは、種火の守り手でした。
ウェイドもマーサの宿にいるのかと尋ねると、現在は他の場所へ偵察に行っているとのこと。
ひとまずクライヴたちは怪我人を宿まで連れて行き、大群を退けたことをマーサに報告しました。
マーサと種火の守り手の協力がいつからなのかと、マーサに尋ねたクライヴ。
協力のきっかけは、ロザリス城が襲われたときにマーサの宿で難民の受け入れをしたときのことでした。
本格的に合流したのはこの空になってからだとマーサが話を続けようとしたとき、傭兵からウェイドの一団がアカシアに追われていると報告に駆けつけてきました。
動ける者を先に逃がし、自分は怪我人とともに最後尾に残っていたウェイド。
クライヴたちはその場に駆けつけ、ウェイドと共にアカシアの群れと戦います。
なんとか危機を切り抜け、宿場まで戻ってきたクライヴたちでしたが、今度は宿場に続く山道にアカシアの群れが出現したという報せが届きました。
(はわー!アカシア、めっちゃ襲ってくるやん!)
宿場の守りはマーサとウェイドに任せて、クライヴたちはそのまま次のアカシア討伐に向かいます。
ここでもまた連戦となりました。
(雑魚敵だからすぐ片付くけど、手間なのは間違いないですね。笑)
宿場に向かってきていたアカシアの群れを退治し、宿場へと戻ったクライヴたち。
マーサによると、この付近で群れていたアカシアは一掃されたようです。
やっと一段落ついたものの、アカシアそのものがいなくなったわけではありません。
種火の守り手と宿場の傭兵団は協力して、新たな警備体制を整えてアカシアに備えることにするのでした。
そのあとクライヴは、ウェイドから1人の青年を紹介されました。
彼はオスカー・マードック。
かつてクライヴの剣の師で、ロザリアの将軍だったマードック将軍の甥です。
クライヴの従者として傍に付きたいというオスカー。
クライヴの傍で騎士の何たるかを学びたいというオスカーに、クライヴは戸惑います。
オスカーは幼い頃より伯母のハンナ(マードック将軍の妻)からクライヴの話を聞いて育ち、今までウェイドと一緒に過ごすうちに『シド』の行動の意味を理解しました。
そして『シド』こそが伯母から聞かされていた『ロザリア騎士の志』そのものだと考えたオスカー。
例え『シド』が大罪人であったとしても、その志を受け継いでいきたいのだと、固い決意を見せるのでした。
ジルとウェイドからの推しもあり、悩んだ末にオスカーを連れていくことにしたクライヴ。
オスカーは厳しい道も望むところだと、クライヴに敬礼をして見せたのでした。
次につづく!
【ネタバレプレイ】FF16 #73 ボクラドの人々
ここで発生したクエストを消化していきたいと思います。
■ゼメキス浪漫回遊記
ボクラド市場で出会った、ゼメキスの研究者・ヤーヒム。
クライヴの強さを見込んで、護衛の依頼を持ち掛けてきました。
ゼメキス研究のため、周辺の遺跡を調査しているというヤーヒム。
しかし近頃は野盗や魔物が横行しているため、屈強な同行者を探していたそうです。
早速、道すがらに襲ってくる野盗や魔物を倒しながら、ヤーヒムと一緒に遺跡巡りを始めます。
ヴァリスゼア全土で見られる空の文明の遺跡の多くは、『飛空艇』と呼ばれる遺跡だということ。
遥か昔に神と人との争いによって開いた大穴が今は大瀑布となり、まさに『ゼメキスの悲劇』と呼ぶにふさわしいということ。
大穴ができるほど人が神の怒りに触れたのは、空の文明の遺跡を見るに、その超高度技術を神から奪ったせいだということ。
ヤーヒムは遺跡を巡りながら、個人的見解を交えた『うんちく』を披露していったのでした。
当初、調査のために護衛を探していると話していたヤーヒム。
本当のところは、自分の話を聞いてくれる相手を探していただけでした。
護衛をしながらしっかりと話し相手をしていたクライヴは、無事に上乗せされた報酬をゲットしたのでした。
(なんだこの微妙なクエストは!ゼメキスへの知識を深めるためだとしても、内容が浅くないか?)
■生きとし生ける
次のクエストは、同じくボクラド市場にいる荷運び人・クヴェタからの依頼です。
最近この辺りでは犯人の目星もついていない積み荷の盗難が続いており、クヴェタはヨゼフという傭兵に犯人捜しを依頼したそうです。
しかしヨゼフは数日前に出て行ったきり一度も戻って来ず。
心配になったクヴェタは、ヨゼフ探しをクライヴに依頼してきたのでした。
市場周辺でヨゼフの聞き込みをしてみたところ、いつもゴブリン族がいるらしい崖の上へと登る人物がいたとのこと。
クライヴもその崖を登ってみると、奥はゴブリン族の棲家となっており、戦闘に入りました。
クライヴがゴブリンにトドメを刺そうとしたそのとき、1人の傭兵が止めに入ります。
彼こそが探していた傭兵・ヨゼフで、クヴェタのところへ戻っていない理由を聞くことができました。
犯人捜しの依頼を受けたあと、被害にあった罪にを調べてみたヨゼフ。
しかし盗まれていたのは食料だけで金品が手つかずだったことから、すぐに野盗の仕業ではないことを察しました。
そこで最近目撃されていたゴブリン族を探ってみたところ、案の定彼らが犯人だったということです。
ゴブリン族を退治しようとヨゼフが追い詰めたとき、彼らは自分たちの命よりも食料を守ろうとしました。
飢えをしのぐために積み荷を狙ったのだと分かると、昔の自分を見ているようで放っておけなくなり。
情が移ったヨゼフは、彼らに食料の集め方や調理のやり方を手ほどきしていたのでした。
生きる術を覚えれば、ゴブリン族が積み荷を襲うこともなくなるはず。
ゴブリン族との交流の成功というヨゼフの思わぬ成果に、クライヴは素直に感心していました。
ゴブリン族との別れを済ませたら、すぐにボクラドへ戻る。
二度と積み荷は盗まないように約束させるから、このことは上手く誤魔化してほしい。
クライヴはヨゼフの頼みを聞き入れ、クヴェタにはヨゼフが無事だったことを報告し、依頼を終えたのでした。
■哀楽の行き交う街
ボクラド市場にある酒場の主人・オンドレイ。
彼は上等なワインを手に入れたので常連客を呼びたいのですが、店を空けられないと困っていました。
その上等なワインとは、『ゴールトンルージュ』の12年物。
ザンブレク産の知る人ぞ知るこの銘酒は、何を隠そうあのロストウィングのカンタンたちが作っているワインです。
ゴールトンルージュの存在を知っていたクライヴを見込んで、オンドレイは自分の代わりに常連客に声をかけてきてほしいとお願いをしてきました。
ということで市場を駆け回って、荷運び人のオルジフ、肉屋のミラン、番兵のボレクの3人に声をかけてきます。(おつかいクエスト…!)
依頼を終えたことを報告すると、こんな上等なワインが飲めるのも、全部常連客のお陰だとオンドレイは話し出しました。
ボクラド市場で色んな品が手に入るのは、オルジフみたいな荷運び人が運んでくれるから。
運んできた酒や肉を、ミランたちが店に出す。
ボレクたちが関所を見張ってるからこそ、安心して商売ができる。
ここはみんながいるから成り立っている。
自分の酒場なんてそこにあやかっているだけだから、たまには良い酒を振る舞ってやりたい。
それがオンドレイが常連客を誘った理由でした。
そして常連客の3人が集まり、彼らの酒の席は哀楽と共に賑わうのでした。
次につづく!
【ネタバレプレイ】FF16 #72 混沌のヴァリスゼア
旧クリスタル自治領のマザークリスタルを破壊し、隠れ家へと戻ってきたクライヴ。
現在の状況を確認するため、オットーのところへと向かいます。
この不気味な空(アルテマのいう『原初の楔』)になってからというもの、各地が混乱しており。
協力者たちからいくつか報せが届いていますが、オットーもまだ正確な状況までは把握できていないそう。
バイロンの手伝いで自由都市カンベルへと向かったガブからは連絡を待っている状況ですが、そこにはミドとバイロンもいるため、ただ無事を祈るしかありません。
ジョシュアの容態も気がかりではありますが、今はここにいるメンバーでやれることをやるだけ。
オットーの手配で、クライヴはヴィヴィアンとハルポクラテスに話を聞きに行くことにしました。
まずはヴィヴィアンから。
世界の状況を分かりやすくまとめた、いつもの講義を行ってもらいます。
この不気味な空になってからというもの、各地で異常事態が発生している現在。
これまでもクライヴたちのマザークリスタル破壊によりその周辺ではエーテル量が減少し、街で利用されていた大型のクリスタルは使用できなくなっていました。
そこに加えて、この空の下では小型のクリスタルすら使用できない地域が出ており。
クリスタルが使えなければ生活もままならない人類の中には、これを世界の終わりの始まりだと考える人々も出ていました。
さらには、大陸の至るところでエーテル溜まりが発生し、アカシアが続々と出現。
魔法がまともに使えない中でアカシアが溢れかえるこの状況では、どの国も立ち行かず。
属領ロザリア、鉄王国は行政が機能しておらず、ザンブレクは国家中枢が壊滅。
ダルメキアはマザークリスタル消失による混乱から、政を担う評議員たちが遁走。
もはや瓦解間近といっても過言ではない状況です。
そんな中、ウォールードが旗艦アインヘリアル(最強の艦隊)を動かしたとの一報もあり。
今の世界は混沌とし、人類が長い時間をかけゆっくり築き上げてきたものが壊れようとしているのでした。
国や軍の動きに支障が出ている以上、各地の街や村は自衛を迫られます。
最悪の場合、溢れかえるアカシアに蹂躙される可能性も十分に考えられるのでした。
そしてヴィヴィアンが最も気になっているのが、アインヘリアルを出航させたウォールードの動き。
こちらは進展があり次第、ヴィヴィアンから報せてもらうことになりました。
続いては、ハルポクラテスのところへ。
どうやらアルテマの痕跡を見つけられたようです。
その痕跡は、空の文明に触れた伝承の中にありました。
太古の昔、人が神に戦いを挑んで敗れ、空の文明は崩壊した。
伝承によれば、そのときにも神の御業によって空が闇に染まったそう。
この空がアルテマの仕業だとしたら、伝承と同じ災禍を引き起こしたアルテマは『神』だということになります。
ハルポクラテスは、神という観点からいくつかの宗教を探ってみましたが、この書庫にある書物ではこれ以上の手掛かりは得られませんでした。
ここに来て、アルテマが『神』かもしれないという小さな手がかりを掴んたクライヴ。
オットーのところへ戻ると、悪い報せが待っていました。
それは、各地の協力者たちから届いた救援要請でした。
マーサの宿はアカシアの大群に襲われ、ノースリーチには見たことのない魔物が出現。
そしてダリミル宿場は野盗に襲撃されたとのことです。
隠れ家の部隊・石の剣も各地に出向いており、救援に向かおうにも人手が足りません。
そこでクライヴとジルが、マーサ、イサベル、ルボルの要請に対応することになったのでした。
アルテマの正体が見えてきたところで、いよいよ物語も後半といったところでしょうか。
次回はしばしクエスト消化に励みます。
次につづく!
【ネタバレプレイ】FF16 #71 原初の楔
バハムートが狂う出来事となった、ディオンの記憶を垣間見たクライヴ。
我に返ったあとは、ひとまず脱出を急ぎます。
ジョシュアはオリヴィエを失った悲しみに暮れるアナベラにも声を掛けましたが、アナベラは既に正気を失っていました。
隠し持っていた短剣の切先をジョシュアに向け、彼を『化け物』と呼びつけるアナベラ。
次の瞬間、彼女は短剣を自らの首筋に向けて、ジョシュアが止める間もなく自ら命を絶ってしまいました。
やるせない気持ちを抱えたまま、フェニックスに乗ってその場から脱出するクライヴたち。
フェニックスが飛び去るとほぼ同時に、花のような形をしていたクリスタルは崩壊しました。
その崩壊するクリスタルの上で地上を見下ろしていたのは、アルテマ。
"人の生み出したる自我。それをつなぐ思念。
思念が自我と自我を絡め、彼我の境界を曖昧にする。
なれば再び個として存立せよ。
その思念の鎖を断ち切る人よ、『あるべき姿』に戻るがよい。
理の名をもって創世に至る『原初の楔』を…!"
なんだかよく分からないことを言いながら、何か技っぽいものを発動したらしいアルテマ。
今度は何する気なんでしょうね。。。
それからしばらく後、とある場所では。
ベネディクタ(?)の前に跪くバルナバスの姿がありました。
ベネディクタに従順な態度を見せるバルナバス。
次の瞬間、ベネディクタの姿だったそれはフーゴに変身していました。
人の『思念』について語るフーゴ。
こういうわけ分からないことを話すのはアルテマしかいませんね←
"火の子らが邂逅したことで、一時のことなれど無窮の力を解放した。
まもなくミュトスは我の器として完成しよう。"
フーゴから元の姿に戻ったアルテマは、クライヴについて言及します。
器を完成させるためには、信頼、敬慕、慈愛、ミュトスにまとわりつく人の思念を排除し、この手に取り戻さねばならない。
『原初の楔』によって人は『無』となり、ミュトスへの思念は断たれる。
そう話すアルテマでしたが、ひとつだけ懸念がありました。
それは、クライヴ自身の発する思念が、新たな鎖を生み出すかもしれないということ。
"我とミュトスはひとつとなり、真あるべき世界を創世する。
ミュトスを人として進化させてはならん。"
それはアルテマの望みを叶えるため、ついにバルナバスが動く時が来たということでした。
そんな従順なバルナバスの前に、アルテマから1人の女性が姿を現わします。
バルナバスはその膝に縋り付き、その女性を母と呼んだのでした。
バルナバスにマザコン疑惑…!?←
そして隠れ家では、自室でクライヴとジルは話していました。
ジョシュアは隠れ家に戻ってからずっと気を失ったまま。
その胸には肉腫のような大きな傷があり、そこを中心に石化がかなり進んでいるそう。
そうしてクライヴが見上げた空は、明らかに普通ではない雲で覆われていたのでした。
ここでクライヴがバハムートの力を使えるようになりました!
メガフレアを撃ってみたいのですが、スキルにあるかなあ。
次につづく!
【ネタバレプレイ】FF16 #70 ザンブレクの悲劇
1体の召喚獣となったイフリートとフェニックス。
この力ならバハムートを倒せると、クライヴとジョシュアの意識はお互いに確信し合います。
そして戦いの舞台は宇宙へ。(!?!?)
イフリートの名前が、『イフリート・リズン』になっていました。
何か意味があるのかな?
やんややんや遣り合って、バハムートの気が狂ったとしか言いようのない究極奥義『ゼタフレア』が放たれます。
(なんなん、ゼタって。逆にもう桁数分からんすぎて、すごさが伝わらない。笑)
覚悟を決めてゼタフレアへと突っ込んでいくイフリート・リズン。
召喚獣といえど、生身でゼタフレアに立ち向かうなんてこちらも気が狂ってますね←
イフリート・リズンはゼタフレアを打ち破り、その勢いのままバハムートを貫き、この召喚獣合戦に勝負がついたのでした。
召喚獣への顕現が解け、無防備なままで地上へと落下していくディオン。
バハムート・リズンの融合が解け、フェニックスがディオンを拾い上げます。
そうして3人はなんとかアナベラとオリヴィエがいる場所へと戻り、クライヴとジョシュアは、ようやく生きて会えたことを喜び合うのでした。
ジョシュアがジルとトルガルとの再会も喜んでいる中、気を失っていたディオンが目覚めます。
目覚めて早々、アナベラの傍に立つアルテマの姿を見たディオン。
力を振り絞ってアルテマへと槍を投げつけばその槍はオリヴィエを貫き、オリヴィエは跡形もなく消え去って行きました。
朦朧とする意識の中、ここにいるはずのない父・シルヴェストルに向けて成果を報告するディオン。
――シルヴェストルがディオンの手を取った。
その幻を最後に、ディオンは再び倒れてしまいます。
(え?もしかして死んだ…?)
一方でアナベラは、『傑作』とも呼べる我が子・オリヴィエの消失に慟哭していました。
そんな彼女の姿を見ていたクライヴたち。
フェニックスの癒しの力でディオンを回復させつつ、この場からの脱出を試みます。
(ディオン…!生きてた…!)
そうしてクライヴがディオンの身体に触れたとき、激しい頭痛とともにディオンの記憶が流れ込んできました。
ディオンの指揮の下、謀反を起こした聖竜騎士団。
神皇宮は騎士団の鎮圧で混乱を来たしていました。
そんなとき、ディオンが単騎で颯爽と神皇宮へと姿を現わします。
そして彼は、父を助けに参上したのだと言いました。
"今ザンブレクは闇に塗れております。
その根源こそ逆賊アナベラにほかなりません。"
シルヴェストルは闇に蝕まれ、自分を見失っている。
とても心の優しい為政者だったはずが、なぜこうも民を蔑ろにするようになったのか。
なぜ新たな火種を蒔こうとしているのか。
全てはアナベラがザンブレクに現れてから。
しかし広がった闇も『人形』を失えばすべて潰えるだろう。
そう言ってディオンは、槍の切先をオリヴィエを向けます。
人が死ぬなら産めばよい。
建屋が燃えれば建てればよい。
かつてそう言っていたシルヴェストル。
ならば全ての人々が死に絶え、全ての建屋が焼き尽くされたそのとき、国は、指導者は、神は、一体どうなるのか?
多くのマザークリスタルが失われ、黒の一帯は広がり続け、人々は混乱している。
この国難こそ皇家が民を守らねばならないにも関わらず、他国に戦を仕掛けヴァリスゼア全土を手中に収めようとしている。
"貴方は皆が築き上げてきた愛するものをすべて灰にせよとおっしゃるのか!"
ディオンの言葉がシルヴェストルの心を揺さぶったかのように見えた次の瞬間。
オリヴィエの言葉が、全てを台無しにしました。
"わたくしが灰にしろと言ってるんだ。
みんな焼けばすぐに片がつくじゃないか、バハムートになってさ。
ほら、ヴァリスゼアを手に入れてよ、兄上。"
のぉぉおおおん!!!オリヴィエ、空気の読めない子!!!
(中身はアルテマなんだけどさ。)
燃え上がった激情のまま、オリヴィエに向かって力強く槍を投げるディオン。
しかしその刃が貫いたのは、オリヴィエを庇って前に出たシルヴェストルの身体でした。
絶命する父を前に、悲しみに顔を歪めるディオン。
そんなディオンに向けて、オリヴィエは尚も鋭い言葉を突きつけます。
"さすがは父上。かばってくれると思ってた。
本当はもう少し早くこうなってるはずだったけど。
お前は本当に我慢強いね。
でもこれで、ようやく壊れてくれそうだ。"
ミュトスが近くまで来ている。
さっさと暴れてミュトスに狩られて来い。
――父殺しのディオン。
目を怪しく光らせたオリヴィエにそう呼ばれ、ディオンは理性を失くしたのでした。
次につづく!
【読書レビュー】夏の王国で目覚めない(彩坂 美月)
■あらすじ
再婚の父に新しい母と弟。
私だけが家族になりきれてない……
高校生の美咲は寂しさを埋めるため正体不明の作家・三島加深の小説に熱中していた。
ある日、加深関連のサイトで『ジョーカー』という人物に「ミステリツアーに参加して謎を解けば加深の未発表作を贈る」と誘われる。
家を出て三日間のツアーに飛び込む美咲だが――参加者の消失、死体、さらに……
これは少女が体験した、二度と来ないひと夏のクローズドサークル。
■感想
彩坂 美月さんの作品は初めて読みます。
タイトルが綺麗だったのと、物語にミステリー要素があるようでしたので、購入を決めました。
結論、読んでよかった1冊でした。
内容としてはやや本格さが足りないところもありますが、それでも問題なくミステリー小説だと呼べる作品です。
ミステリー小説をよく読む身として、クローズドサークルの状況を作る腕前は素直にすごいなと思いました。
あと、読後がすごく爽やかなのも良かったです。
これは主人公の美咲が高校生ということ、夏の三日間のできごとということ、結果的に血生臭い事件にならずに済んだこと、美咲の心の成長が描かれていることなどが要因だと思います。
同じミステリツアーに参加した人々は水知らずに人たちばかりですが、その中に美咲と年頃の近い、好青年も参加していました。
この緊張が続くツアーの中で、美咲とその好青年とが少しずつ距離を近づけていく。
犯人が参加者の中に紛れているかもしれないという状況で、少しずつ信頼関係を結んでいく。
そういった甘くて青い要素が、いい味を出していました。
作品としてはラノベのような良い意味での『軽さ』があるので、気持ちよくさっぱりする小説が読みたいという気分のときにはぴったりだと思います。
(とはいえミステリー小説なので、緊張感がある場面はもちろんありますけどね。)
少々ボリュームがある作品ではありますが、読みやすさもあるので、気軽にお勧めできる作品でした。
【読書レビュー】汝の名(明野 照葉)
■あらすじ
三十代の若さで事業に成功し、誰もが憧れる優雅な生活をおくる麻生陶子。
だが、その美貌とは裏腹に、「理想の人生」を手に入れるためには、恋も仕事も計算し尽くす人間だ。
そんな陶子には、彼女を崇拝し奴隷の如く仕える妹の久恵がいた。
しかし、ある日を境に、この奇妙な姉妹関係が崩れ始め、驚愕の事実が明らかになっていく……。
■感想
表紙とあらすじに惹かれて購入した一冊です。
明野 照葉さんの作品は初めて読みます。
本作、女と女の戦いが繰り広げられるわけですが、その戦いが妙に癖になります。
女の戦いが繰り広げられる小説は、割りとイヤミスになる傾向が強いかなと思っていたのですが、個人的に本作は全然そんなことありませんでした。
読後の感想としては、本作はミステリー小説の顔をしたホラー小説で、生身の人間同士が引き起こすホラーだからなぜか読まずにはいられない、という感じ。
好奇心というのか、主人公たちの戦いが圧巻だからなのか、目が離せなくなるんですよね。
理想の人生を送るため、自らを厳しく律して強い意志を輝かせながら生きる陶子。
しかし彼女は、自分の理想を追いかけるためには手段を選ばない悪女でもあります。
そんな陶子とは反対にいつも自分に自信がなく、その割りに何か悪い出来事があればそれは誰かのせいだと考えてしまいがちな久恵。
彼女は献身的な精神が強い反面、自分より立場の弱い者の上に立とうとする悪女でもあります。
まるで対照的な2人。
良い面も悪い面も持ち合わせる2人の悪女が戦うなんて……ほら、もう面白い展開になる気がしてきませんか?
物語の終盤で2人の戦いはひとまずの決着を見せるのですが、それでも完全に勝負が決まったわけではありません。
「この次はどんな戦いをするんだろう?」と続きが読みたくなってしまう、まだこの2人を見ていたいと思わせる、引力のある小説でした。