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【読書レビュー】ZOO1、2(乙一)


■あらすじ

【ZOO1】
何なんだこれは!
天才・乙一のジャンル分け不能の傑作短編集が「1」、「2」に分かれて、ついに文庫化。
双子の姉妹なのになぜか姉のヨーコだけが母から虐待され……(「カザリとヨーコ」)、謎の犯人に拉致監禁された姉と弟がとった脱出のための手段とは?(「SEVEN ROOMS」)など、本書「1」には映画化された5編をセレクト。
文庫特別付録として、漫画家・古屋兎丸氏との対談も収録。

【ZOO2】
天才・乙一のジャンル分け不能の傑作短編集その2。
目が覚めたら、何者かに刺されて血まみれだった資産家の悲喜劇(「血液を探せ!」)、ハイジャックされた機内で安楽死の薬を買うべきか否か?(「落ちる飛行機の中で」)など、いずれも驚天動地の粒ぞろい6編。
文庫版だけのボーナストラックとして、単行本に入っていなかった幻のショートショート「むかし夕日の公園で」を特別収録。


■感想

はてブロ仲間さんから教えてもらった作品です!

本作はあらすじに書いてある通り、まさしくジャンル分け不能の傑作短編集。
残酷さの中に描かれる姉弟愛や、『生』について考えさせられる心震える美しい物語。
現実を受け入れ切れず妄想の中で生きる狂気や、コミカルなのにちゃんと謎解きがあるミステリー。

1編を読むたびに、その前までの作品とのギャップを楽しまずにはいられない、とても読み応えがある短編集でした。
さくさく読めたので、すぐに読み終わっちゃいました。

ベタですけど、わたしが好きなのは「1」の『陽だまりの詩』かなあ。
目に浮かぶ描写が美しい作品でした。
そしてどうやらこちらが映画化された短編のようです。

「2」だと『冷たい森の白い家』がおもしろかったです。
純粋さゆえの残酷な童話を読んでいるようでよかったです。

気軽に読めるかつ文章も読みやすい作品なので、すき間時間に読める本をお探しの方や読書初心者の方におすすめな本かなと思います。