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【読書レビュー】GENE MAPPER - full build -(藤井 太洋)


■あらすじ

拡張現実が広く社会に浸透し、フルスクラッチで遺伝子設計された蒸留作物が食卓の主役である近未来。
遺伝子デザイナー(Gene Mapper)の林田は、L&B社のエージェント黒川から自分が遺伝子設計した稲が遺伝子崩壊した可能性があるとの連絡を受け原因究明にあたる。

ハッカーのキタムラの協力を得た林田は、黒川と共に稲の謎を追うためホーチミンを目指すが――電子書籍個人出版がたちまちベストセラーとなった話題作の増補改稿完全版。


■感想

近未来SF系の気分になったので買ってみた一冊。
藤井 太洋さんの作品は初めて読みます。

読み終わった感想は、可もなく不可もなく。
おもしろくも、おもしろくもなく。
読みやすさも、読みにくさもなく。
良くも悪くも、フラットに読める作品でした。

舞台が近未来ということで科学が発展している世界のため、序盤から聞き慣れないカタカナ用語が出てきます。
そのカタカナ用語については日本語にフリガナという文体で出てきますし、文中にも補足があったりするので、完全に置いてけぼりを食らうというわけではないのですが…少々取っつきにくい感じは否めませんでした。
慣れればなんてことないのですが、慣れないカタカナ用語が苦手な方には読みにくいかもしれません。
(わたしのように普段からゲームや小説でカタカナ用語耐性がついている方は大丈夫だと思います。笑)

世の中で日常的になった、人の手で完全に遺伝子操作されて作られた稲。
その稲に異常が現れ、遺伝子を設計したデザイナー・林田がその原因を追うところからストーリーは始まります。

原因を追う中、稲の異常に人為的な要因が発生していることに気付き。
その要因は世界をひっくり返すほどの大事件に繋がりかねないほど、危険性を孕むという事実を知り。
林田が自分自身や周囲の人々、そして未来に向かって取った行動がどうなるのか?――というような流れとなります。

本作はもともと電子書籍個人出版されたものを改稿したものだそうです。
電子書籍とはいえ、個人出版されるなんて…「藤井さん、すごい!」の一言につきますね。

正直に言うとオススメをするほどではないのですが、ご縁があって本作と出会うことがあれば、読んでみていただいてもいいかなと思いました。