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【読書レビュー】猫弁 天才百瀬とやっかいな依頼人たち(大山 淳子)


■あらすじ

お見合い30連敗。冴えない容貌。でも天才。
婚活中の弁護士・百瀬太郎は猫いっぱいの事務所で人と猫の幸せを考えている。
そこに舞い込むさらなる難題。「霊柩車が盗まれたので取り戻してほしい」。
笑いあり涙ありのハートフル・ミステリー、堂々誕生!
満場一致で第一位、TBS・講談社ドラマ原作大賞受賞作。


■感想

大山 淳子さんの作品は初読みです。
そしてあらすじ買い。

大手弁護士事務所から独立して、小さな事務所を経営している百瀬 太郎。
彼は世間を賑わせた猫屋敷事件を円満解決させたやり手弁護士ということで一躍有名になり、そのせいで動物絡み(特に猫)の依頼が舞い込むことになり、その結果、弁護士事務所だというのに11匹の猫を成り行きで飼うことになり。。。
そうして事務所の扉には『猫弁』というあだ名まで落書きされるようになるという、天才なんだけどポンコツな弁護士が主人公のお話です。

靴を見ただけで、その人の人生が分かる不思議な靴磨きのおばあさん。
質の良い靴を作ることで有名になったシューズメーカー2代目社長の男。
大阪から上京してきた売れない芸人2人組。
いつもドスのきいた声で話す結婚相談所で百瀬を担当している女。
あえてペット禁止のマンションで猫を飼っている女。

さまざまな人物がそれぞれ別々の理由で行動を起こしていたにも関わらず、気づけば百瀬を中心に全員が関わりを持ち始めます。

シューズメーカー2代目社長から依頼された『盗まれた霊柩車を取り戻してほしい』という依頼をきっかけに、周囲の人々はもちろん、百瀬自身も今まで見えていなかった自分の周囲の人々の本音を知っていく。

ミステリー要素はあるものの、どちらかというとヒューマンドラマに重きをおいた作品でした。
読みにくい、おもしろくないなんてことは全然なく、読み終わったあとにほっこりとする素敵な作品です。

あとこの猫弁、シリーズとして他の作品もあるようです。
手に取ったのがたまたま1冊目というラッキーさ。
他のシリーズも読んでみたいです。