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【読書レビュー】チーズはどこへ消えた?(スペンサー・ジョンソン)


■あらすじ

この物語に登場するのは、ネズミのスニッフとスカリー、小人のヘムとホー。
2匹と2人は「迷路」の中に住み、「チーズ」を探します。
「チーズ」とは、私たちが人生で求めるもの、つまり、仕事、家族、財産、健康、精神的な安定……等々の象徴。
「迷路」とは、チーズを追い求める場所、つまり、会社、地域社会、家庭……等々の象徴です。
この一見シンプルな物語には、状況の急激な変化にいかに対応すべきかを説く、深い内容がこめられているのです。

■感想

密かにずっと気になっていた本作。
偶然にも同僚と本作の話になり、持っているということで、幸いにも借りて読むことができました。

登場人物は、本能と勘に優れたネズミ2匹と、思考が得意な小人2人です。

彼らはある日、毎日の苦労が報われたかのように迷路の中で大量のチーズを発見しました。
その喜びに浸かるのも束の間、また別のある日、チーズは消え去ってしまいます。
その後の2匹と2人は、それぞれ異なる行動をしました。

大量のチーズを発見してからも、常に何かしらの変化がないか注意深く観察をしていたネズミ2匹。
チーズがいずれ消え去ってしまうことを覚悟し、次にどうすればいいか本能で分かっていた彼らの次の行動はこうでした。

スニッフはその鼻を効かせて、他のチーズがあることを確信し。
スカリーは、スニッフを信じて一緒に他のチーズを探しに行くことを即決しました。
結果的に2匹は、また新しいチーズを見つけることに成功します。

一方の小人2人は大量のチーズを発見したことに慢心していたため、ただただショックを受けるだけで何もできませんでした。
そうしてしばらくショックで落ち込む日々を過ごす中、彼らの次の行動はこうでした。

ヘムは悩み抜いた末でもチーズがないという変化を受け入れられず、未来を描くこともできず、未だにチーズのなくなった場所に留まり続け。
ホーは悩み抜いた末、チーズがないという変化を受け入れ、自分の求める未来を求めてようやく他のチーズを探しに行きました。
結果的にホーは、ネズミ2匹にかなり遅れをとったものの、無事に新しいチーズを見つけることができます。

2匹と2人のうち、自分はどのタイプなのかを考えながら読むと一層おもしろく読むことができました。
自己判断でいうと、わたしはかつてはホーで、今はスニッフのタイプかなと思っています。

それからホーが重い腰を上げて新しいチーズを探しに行く途中で様々な気づきを得るのですが、それがシンプルながら刺さる。
文字で読むだけなら「当然だ」と思えることも、いざ大きな岐路に立たされたときに実行できるかどうかはまた別の話なんですよね。

さくっと読めるのに改めて気づかされることがあった作品でした。