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【読書レビュー】限りある時間の使い方(オリバー・バークマン)


■感想

同僚からお勧めされた自己啓発本

―――「頭にパッと浮かんだ数字で答えてほしい。人は平均で何週間生きると思う?」

わたしはなんとなく1万前後かなと思ったのですが、みなさんはいかがでしょうか?

答えは、80歳まで生きると考えると、せいぜい4,000週間しかないそうです。
これを聞いたみなさんにとって、4,000週間は長いでしょうか?短いでしょうか?

本書でオリバー・バークマンさんは、4,000週間は「ものすごく、バカみたいに短い」と書いています。
実際、わたしも思ったより全然短いなあと思いました。

じゃあ生きる時間が短いんだから、時間をもっと効率的に使おうよ。

パフォーマンスよく人生を送ろうよ。

あなたの人生、こうすればもっといろんなことができるようになるよ。

人生をもっと良くするため、こんな風に生産性を上げるといいよ。

本書には、そんなことは一切書いてありません。

むしろ、

生産性を高めようとするたびに、違和感は増していく。本当に大事なことが、なぜかどんどん遠ざかってしまう。

これまでのタイムマネジメント術は失敗だらけだった。そろそろ見切りをつけたほうがいい。

生産性とは罠なのだ。

効率を上げる、生産性を高める、時間を有効に使う。
時間を自分の思うようにコントロールすること自体を考え直そうと書いてありました。

わたしは仕事においては自分の効率や生産性に重きをおいています。
だからといって他の人に同じことを求めているわけではありませんし、次々とタスクをこなしたいからそうしているわけではありません。

ただ、自分が楽をしたいのです。
楽に働きたいのです。

例え他のタスクが残っていようとも、それを"今"しなければならないものでなければ、なんの躊躇いもなく翌日以降に回します。

それにより一部の人には、わたしが真面目に仕事をしているように見えないこともあるでしょう。
元よりこのスタンスを変えるつもりも後ろめたさも感じていませんでしたが、本書はこのわたしの考えを受け入れてくれているように思えました。

また、わたしのプライベート面でもそうです。
仕事とは真逆で、細かく予定を立てたり(予定を入れてもせいぜい一つ)、効率的・生産性のある休日の過ごし方など考えたことはありません。

休日の過ごし方については、たまに後ろめたさを感じることはあります。笑

本書はこのわたしの休日の過ごし方さえも受け入れつつ、その上で誰かと時間をシェアすることの大切さを改めて教えてくれたような気がします。

このシェアすることの大切さについては、結果的に「時間の価値が大切な人と過ごせるかどうかにかかっている」という真実を導き出したテストの話がおもしろかったですね。
(もちろん必ずしも大切な"人"ではなく、"もの"や"こと"でも十分意味があるとわたしは思います。)

つまるところ本書について何が言いたいかというと、「読みやすいし、バークマンさんのウィットに富んだ語り口調がおもしろいし、バークマンさんの話を聞きにきたくらいの軽い気持ちで読めるから、興味があればぜひ読んでみてください」ということです。

自己啓発系の書籍って人によっては手が出しにくいかと思うんですが、これは本当にカジュアルに読めるから初心者の方にもおすすめだと思いました。

「読んだことで何かを感じなきゃ!思わなきゃ!実行しなきゃ!」なんてことは考えなくていいですからね!これ大事!